- Prologue -
ハロウィーンは悪霊を追い出すための宗教儀式が起源らしいけど、日本のお盆のように先祖の霊を迎える、っていうのとはある意味真逆、って感じがするわね。
霊っていうのは総じて悪いものなのかもね。悪霊という言葉はあっても”りょうりょう”っていう言葉は聞かないから。
宗教観、お国柄の違いかしら。悪というより畏れね。
力づくで追い返すか、おべっかを使っておとなしくしてもらうか。
肉ばかり食べているからね。きっとカボチャをくり抜いて遊びながら、やっぱり肉を貪り食っているのよ。
何か嫌な事でもあったの?体重制限をするなら、肉よりそのケーキをやめたほうがいいと思うわ。
ケーキは別腹なんだけど、行き着く先は一緒なのよね。
お腹の中を覗くのが怖いわ。
試しに覗きに行ってみましょうか?
残念ながら青い狸ロボは未だ誕生していないわよ。
足元を照らす程度の光は欲しいかもね。
霊界へ行くの。死んだら皆霊界へ辿り着くのでしょう?
お盆とハロウィーンは皆現世へ出払っているから、悪霊もいないし安全に観光できるって算段よ。
安全かもしれない、っていうのはまあ納得するとして、わざわざ閑散とした時期に観光するのはおもしろいのかな、という疑問は残るわね。
おもしろいは与えられるものではなく、自ら見つけに行かなくてはいけないものなのだよ。
月に行くよりは安心かもね、お財布的にも。
六文を笑うものは六文に泣くわよ。
どういう意味?
備えあれば憂い無し、ってね。電車賃くらいは持っておくといいわ。